「今から民泊投資を始めるのは危険?メリットはある?」
「コロナの影響はどれくらい?民泊投資の注意点は?」
など、これから民泊投資を始めるにあたり、メリットや注意点が気になる方は多いでしょう。また、コロナの影響がどれくらいあるのか知りたい方も少なくないはずです。
結論から言えば、コロナによって民泊業界は大打撃を受けています。しかし、今もしくはコロナ後に民泊投資を始めるメリットもあります。
ここでは、コロナの影響やこれから民泊投資を始める3つのメリット・注意点などを紹介します。ぜひ、ご覧ください。
1.2019年まで拡大傾向にあった民泊
訪日外国人数の増加を背景に、2019年まで民泊は拡大傾向にありました。民泊登録件数は2019年夏に1万8,000件を超えており、民泊宿泊者数は33万超となっています。
1-1.民泊登録件数は1万8,000超
2019年8月に観光庁が発表した情報によると、住宅宿泊事業の登録件数は1万8,111件で、2018年6月15日に民泊新法が施行された時の約9倍(2,210件→1万8,111件)でした。北海道、東京、大阪、福岡、沖縄はいずれも登録件数が1,000件超となっています。
宿泊実績(2019年4月1日〜5月31日)も以下のように非常に多いです。
・全国宿泊日数は合計30万1,011日
・宿泊者数は33万5,163人(述べ宿泊者数は93万3,194人)
初回調査時(2018年6月〜7月)と比べて宿泊者数は4倍以上となっています。
宿泊者の国籍別は次のようになります。
・日本国内居住者は9万89人
・海外からの宿泊者数は24万5,074人
- 海外からの宿泊者の国籍内訳
・中国:5万3,507人
・アメリカ:3万1,834人
・韓国:2万5,321人
・台湾:1万6,018人
・香港:1万4,231人 など
このように、民泊登録件数や宿泊者数は非常に大きなものになっていました。
1-2.訪日外国人数も増加傾向で2019年は3,188万人
次に訪日外国人数を見ていきましょう。
以下は2012年〜2019年の年間訪日外国人数の推移です。政府がインバウンドに力を入れたこともあり、ここ数年2,000万〜3,000万人超えが当たり前となっていました。
・2012年:約835万人
・2013年:約1036万人
・2014年:約1,341万人
・2015年:約1,973万人
・2016年:約2,403万人
・2017年:約2,869万人
・2018年:約3,119万人
・2019年:約3,188万人
1日あたりで考えると、約8.7万人/日と非常に大きな数字です。訪日外国人の増加の伴い民泊登録件数が増え、日本に民泊が広く普及をしました。
2.2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行で民泊は大打撃
2019年の訪日外国人数は3,000万人を超えていましたが、2020年の訪日外国人数は激減しています。新型コロナウイルス感染症の世界的流行が原因です。
2020年4月の訪日外国人数は2,900人ほどで、前年同月の297万人から−99.9%となります。7ヶ月連続で前年同月を下回っている状況です。
2020年1月〜4月の訪日外国人数推移は、次のようになります。
・1月:約266万人
・2月:約108万人
・3月:約19万人
・4月:約2,900人
2019年には月間70万人以上が訪れていた中国人も、2020年3月には1万6,700人、4月には300人ほどしか来ていません。
コロナ禍で訪日外国人がいなくなり、民泊は大打撃を受けています。売上が90%以上ダウンし、家賃を支払うと赤字になる民泊オーナーがたくさんいます。
少なくともコロナが終息するまでは、このように厳しい状況が続くと考えられます。
3.これから民泊投資を始める3つのメリット
現在、コロナ禍により民泊は非常に厳しい状況です。
しかし、ワクチンが開発されコロナが終息をすれば、訪日外国人数が一気に戻る可能性もあります。早期終息が見え、延期したオリンピックが開催されることになれば訪日外国人数は爆発的に増えることも考えられるでしょう。
民泊業界が冷え込んでいる今だからこそ、コロナ後へ向けて民泊投資を始めるメリットがあります。以下は、これから民泊投資を始める主な3つのメリットです。
3-1.物件価格が安い
市場が冷え込んでいる今、民泊投資を始めるメリットは物件価格が安いことです。不動産市場全体が大幅な落ち込みを見せているので、相場が下がる可能性が高いです。
そうなれば、新築・中古のマンションや一戸建て価格が下がり、これまでよりも安く物件を取得することができます。
3-2.備品が安く手に入る
物件だけでなく備品が安く手に入る可能性もあります。このような状況なので、安く譲ってくれるオーナーもいますし、フリマやオークションで激安価格で手に入れることも可能です。
備品が安く手に入るので、初期コストを抑えることができます。
3-3.優良物件を確保しやすい
市場が冷え込んでいる間は「やりたいけど、もう少し待ってから」と、機を待つ投資家がたくさんいます。だからこそ、優良物件を確保できるチャンスがあります。
競合となる他の買い手がいない時だからこそ、通常時では買えない高利回りの物件が手に入りやすいのです。
このように、コロナ禍に投資をすることで上記のようなメリットがあります。
また、民泊投資は宿泊価格を自由に設定できます。そのため、需要が見込める物件であれば高い宿泊価格が可能です。
良い物件を確保できれば、家賃が固定されている賃貸不動産よりも高い収益性を実現させることができます。
4.民泊投資を始める注意点
今だからこそ安く買えるなどメリットがある民泊ですが、注意点もあります。これらの注意点を知らずに始めてしまうと、すぐに失敗してしまう恐れがあります。
以下2つの注意点も押さえておきましょう。
4-1.リスク回避のため分散投資をする
これから民泊投資を始める場合は、リスク回避のために分散投資をすることが大事です。なぜなら、コロナ後すぐに訪日外国人が戻るとは限らないからです。コロナが終息して、どれくらいの期間でインバウンド需要が回復するかは不透明な状況です。
そのため、民泊投資だけに資産を集中させず、分散させた方がいいでしょう。
民泊投資に加え、不動産投資や株式投資、債券、ソーシャルレンディング、、、など、いくつかの投資先に資産を振り分けてリスク回避することをおすすめします。
4-2.キャッシュを十分に用意しておく
民泊投資を始める際はキャッシュを十分用意しておきましょう。需要回復に時間がかかった場合に、目先の資金繰りに困窮しないためです。
売上が立たず、キャッシュがない状況であれば破産してしまいます。
コロナの影響で売上が激減した場合は、持続化給付金や家賃支援給付金などの補助金利用も可能ですが、条件や期間が定められているので給付対象になるとは限りません。
また、給付金が出たとしても一時凌ぎにしかなりません。想定以上に需要回復しなかったとしても、耐えられるようにキャッシュを用意しておくことが大事です。
まとめ
ここでは、コロナの影響やこれから民泊投資を始める3つのメリット・注意点などを紹介しました。
民泊業界に限ったことではありませんが、コロナで大打撃を受けています。しかし、コロナ禍やコロナ後のタイミングだからこそ「優良物件が安く手に入る」というメリットがあります。優良物件を確保できれば高い利回りで運用が可能です。
ただし、訪日外国人数や民泊業界がいつ回復するかは不透明な部分がありますので、リスク管理や資金管理を徹底しましょう。