新築アパートの利回りは?建てることのメリットとデメリットとは?

不動産投資

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不動産投資を始めるには、様々な方法があります。投資対象としてポピュラーなものの一つに一棟アパートがありますが、その一棟アパートへの投資には、さらに中古アパートへの投資と新築アパートへの投資があります。ここでは新築アパートへの投資を行うメリットとデメリットを見ていきましょう。

1.新築アパート建設のメリット

まず新築アパートを自分で建てることのメリットには、どのようなものが挙げられるでしょうか。

1-1.自由に設計できる

新築アパートを建てることとは、つまり、自分で設計したアパートが建てられるということです。また、実際に建築する工務店も自分の意思で選ぶことができます。中古アパートを購入するさいは、すでに他人が建てた建物を購入することになるので、設備や内装にこだわったり、できるだけコストを抑えながら工務店を選んだりすることができません。非常に古いアパートを購入した場合はどの工務店が建てたのか、ろくにわかりません。すでに無くなった工務店であることもあります。

それに比べて新築であれば、評判の良い工務店などを自分で選んで建築を依頼できるので、建物上のリスクを抑えることが可能になります。

1-2.土地から選ぶことができる

また、中古アパートを購入する場合、当然ながら建物に土地がセットでついてきます。不動産投資の成否を左右する最も重要なポイントは、立地だと言われています。中古アパートしか視野に入れていない場合、なかなか良い立地の物件が見つからず、価格面で妥協してしまいかねません。すると今後、運営が難しいエリアの物件しか購入できないことがあります。

しかし、新築アパートへの投資の場合、自分で土地から選ぶことになるので、立地の良い場所、これから先も人口が増えていく場所、学生からの需要の高い場所などをしっかりと見定めて土地を購入できます。もちろん土地を購入することで価格は高くなってしまいますが、今後の人口リスクなどを見据えたうえで、成功する見込みの高い土地をしっかりと選ぶことができます。

1-3.融資をつけやすい

まず重量鉄骨造やRC造といった、法的耐用年数の長い工法で作られているアパートは少ないです。基本的には軽量鉄骨造や木造工法など、法定耐用年数が20年前後の工法で建てられています。そのため、中古アパートを購入すると、既に法定耐用年数を経過しているものが多く、建物の老朽化が進んでいます。その結果どういったデメリットがあるかと言うと、金融機関からの融資が非常につきにくくなるのです。

特に木造のアパートの場合、土地の評価額が物件価格に等しいほどでなければ、なかなか金融機関からの融資が受けられません。

それに比べて新築アパートの場合、これから建物を建てることで収益の見込みがあれば、金融機関が融資をつける可能性は高いです。自己資金をそれほど必要とせずにアパートを購入したいのであれば、新築アパートのほうがメリットは大きいです。

2.新築アパートの建設のデメリット

メリットがわかったところで、新築アパートの建設のさいのデメリットも知っておく必要があります。

2-1.中古よりも物件を調達する費用がかかる

まず基本的に中古よりの物件のほうが、新築物件よりも価格は安いです。法定耐用年数を経過してしまっている物件の場合、建物の価値は建築費用の10%程度にしかならず、土地の値段だけで収益物件を購入できることがあります。そのため、中古アパートのほうが利回りは高いです。

ただし、融資を受ける場合、新築物件は金利や返済期間などの面で良い条件になる可能性があります。そのため、総合的にキャッシュフローを比較した結果、最終的には大きく差はつかないかもしれません。

2-2.自分に建築のノウハウがないといい建物にならない

いちから自分でアパートを考えて建てるわけですから、建築に関するノウハウが求められます。デザインにこだわるあまり、非常に住みにくい部屋になってしまった、必要な設備を設けていなかった、建築基準法を満たしていない箇所があったのに、建物を建てたときに気づけなかった、などの建物上のリスクが発生します。既に運用実績のある中古物件であれば、ある程度は収益の予測が立てやすいのですが、新築の場合、どの程度の収入が見込めるかについては未知数なところもあります。

ただし、良い立地にすれば一定の需要は見込めます。

2-3.業者の言いなりで高額な建築費になってしまうこともある

アパートを建てるときに建築の知識がオーナー側にないと、建築業者の言いなりになってしまうことがあります。相場よりもはるかに高い建築費を請求された、不必要な設備を導入して建物のコストが青天井で上昇した結果、収益性が非常に悪くなってしまうこともあるのです。

また、近年では、サブリースのトラブルに巻き込まれる可能性も出ています。アパートの建築業者の中にはサブリース契約とセットで、新築アパートの建築を持ちかけてくるところもあります。しかし、サブリース契約では、約束したはずの家賃収入が急に減らされたり、高額な修繕費を要求されたりすることがあります。アパートを自分で建てるのであれば、建築や不動産投資に関する知識を自分でしっかり身につけておかなくてはいけません。

3.アパート投資は不動産投資の中級者以上向け

では、アパート投資は結局のところ、どういう人に向いているのでしょうか。すでに不動産の運用経験があり、ある程度は収入を得ていて自己資金が用意できる人だと言えます。

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3-1.アパートは入・退去が激しいので、新築プレミアムの旨みがない

アパートはマンションに比べると設備は劣りますが、そのぶん家賃が安いというメリットがあります。ただし、これは入居者に対してのメリットであり、大家にとっては家賃を高く設定できないのはデメリットとも言えます。家賃が安いだけに入居者の出入りもマンションと比べると激しい傾向があります。高額な区分マンションを購入した場合、新築プレミアムという最初の入居者だからこそ設定できる高額な家賃設定が魅力となってきます。新築アパートでも新築プレミアムを上乗せした家賃の設定は可能ですが、入居者が数ヶ月で退去してしまった場合、次の入居者は一般的な相場の家賃で募集するしかありません。新築プレミアムをあてにすることができず、また、入居者の出入りが激しいため、客付けのノウハウが必要とされてくるのがアパート投資の特徴です。

3-2.融資を受けにくく、自己資金を用意できる人間向け

アパートは金融機関にとってもリスクの高い融資対象になります。マンションに比べれば空室が発生しやすいですし、建物の老朽化も早くなります。一棟アパートを購入するときはある程度は自己資金を用意する必要があります。金融機関からの融資で資金の全額を調達する区分マンション投資のような真似はできません。

もしくは、不動産投資で中級以上の方は、様々な金融機関と繋がりがあり、十分に融資が受けられます。したがって、アパート投資は中級者以上の方に向いた投資対象だと言えるでしょう。

3-3.新築でも中古でもマンションより利回りは高い

アパートは融資が下りにくい、設備の劣化が早い、家賃が安いなどのリスクはありますが、やはり建築費の安さは大きなメリットです。

都内で新築マンションを購入したときの利回りは3%程度、中古マンションでも5%あれば良いと言われます。しかし、アパートは新築でも6%程度、中古で10%以上もの高い利回りを見込むことができます。

空室が発生しやすいリスクはありますが、ある程度の空室の発生を想定したとしても、マンションよりも高い利回りを設定することができます。

客付けに自信がある人であれば、区分マンションへの投資よりも一棟アパートへの投資のほうが、自分の収入をより増やすことができるでしょう。経験を積んだらぜひ、チャレンジしてみたいのが一棟アパートへの投資です。

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