私は自宅を購入するにあたり、一般の戸建て住宅ではなく、アパートが併設されている賃貸併用住宅を買いました。賃貸併用住宅を選んだことにより、様々な経済的メリットを享受できています。そこで、ここでは賃貸併用住宅を選んだ理由についてご説明したいと思います。
1.家賃収入でローンを返済できる
賃貸併用住宅として購入した中古住宅は、1階部分がアパートで3部屋あります。そして、2階と3階部分が自宅用の居室になっています。住宅の面積は合わせて約200平方メートル。1階部分と2階部分が約80平方メートルで、3階部分は40平方メートルになっています。この1階部分に約20平方メートルの居室が三つ備え付けられています。
賃貸併用住宅を選んだ最大の理由は、得られた家賃収入で住宅ローンを返済できる点です。私が購入した賃貸併用住宅は、価格が土地代込みで約4,500万円でした。自己資金をいくらか用意したので、毎月のローンの返済額は12万円になっています。いっぽうで、ひと一部屋あたりの家賃が4万5000円前後で、毎月の家賃収入が14万円。住宅ローンの12万円を上回り、自宅を購入してなおかつ2万円ほどのキャッシュが残る形になっています。
それまで私が住んでいたマンションの家賃は、9万5000円でした。将来の住宅購入に備えて10万円の貯金を毎月行っていました。
つまり、毎月の住居費に19万5000円もかかっていたのです。
しかし、賃貸併用住宅を購入したことにより、マイナス19万5000円がプラス2万円に変わりました。住宅を購入したのでもう、将来の備えとして購入費用を貯める必要はありませんし、住宅を所有したことで支出ではなく、収入が入るようになっています。マイナス19万5000円からプラス2万円に変わったことで、毎月の家計が21万5000円も楽になったことになります。
住宅ローンの利用による住宅の購入にさいし、リスクが高いと思われる人もいます。しかし、賃貸併用住宅を購入したことで毎月の家計が大変楽になり、私はメリットを享受できました。
2.住宅ローンを利用できる
次のメリットは、住宅ローンを利用できることです。投資用物件を購入するさいは、基本的には金利が高く、返済期間があまり長くないアパートローンなどを利用しなければいけません。
そして、昨今の金融機関はアパートローンの引き締めを行っていますから、なかなか個人投資家がアパート購入のための融資を受けるのが難しくなってきています。
特に不動産投資の経験がない人がローンを利用して中古の木造アパートを購入するのは、中々困難なことのように思われます。
しかし、住宅ローンであればそのような問題はありません。当たり前のことですが、金融機関も融資を行わなければ、営業利益を上げることができません。何かしらの形であれ、融資自体を画策しています。
そのため、現在でも住宅ローンであれば、普通に融資を受けることが可能です。
賃貸併用住宅を購入するさい、私は返済期間35年で3,500万円、金利1.25%の条件で融資を受けることができました。これが仮に同じ3,500万円の融資を木造アパートで受けようとした場合、受けられたとしても金利は3%以上になっていたでしょう。また、返済期間も35年を設定することはできなかったでしょう。毎月の返済額が20万円以上になってしまいますから、少しでも空室が発生すればキャッシュフローが消えてなくなる可能性があります。
しかし、住宅ローンであれば返済期間を35年に設定できるので、毎月の返済額はそれほど大きなものにはなりません。一時的に空室が発生することがあっても、先の段落で述べたように私は毎月19万5000円を住居費としていましたから、住居費用として10万円の支出があってもほとんどリスクはありません。住宅ローンが返済できなくなって、家を手放すリスクを考えなくて済むのです。
もちろん住宅ローンを利用する以上、建物の中の賃貸部分の面積は半分以下である制限がつきます。しかし、中古で出回っている賃貸併用住宅であれば、条件をきちんとクリアしたものばかりですので特に問題はありません。
将来的な話ですが、賃貸部分の面積が一定の部分を占めることにより、仮にこの家を相続させるときは相続税が安くなりますので、税金面でもメリットがあります。
3.賃貸物件以外にも様々な利用法がある
中古で購入した賃貸併用住宅に対し、賃貸の需要ぶりを心配される人もいるかもしれません。基本的には建物が建っているエリアをきちんと選定しておけば、空室リスクに悩まされる心配はそれほどありません。
東京都23区内、神奈川県では横浜や川崎。埼玉では東京よりの川口。千葉といえば市川などを選んでいれば、まだまだ人口減少のリスクに備える必要はないと言えます。
もちろん徐々に家賃を値下げしていかなければいけませんが、現状の約4万5000円を3万5000円程度にすれば、築30年~40年になっても、一定の修繕を施すことで十分に集客する力はあると考えています。
そしてもう一つ、賃貸併用住宅は賃貸部分を色々な目的の部屋として利用することができますが、これもメリットの一つに数えられます。もし部屋を借りてくれる人が現れなかったら、改装して二世帯住宅として活用するのも一つの手でしょう。
現在、私は子供を育てながら賃貸併用住宅に住んでいます。今から20年もすれば、子供も独立して自分の世帯を持つ可能性があります。その場合は私たちの居室として1階の賃貸部分にリフォームを施し、2階と3階の居住部分は子供と孫達の家として利用してもらうのです。
1階部分には風呂やキッチンがもともと備え付けられていますし、高齢になると2階や3階に住むよりも、1階に住んだほうが何かと生活しやすいです。子供がローンを借りて無理に新しい家を買うよりは、同じ住宅に住んで私と子供たちの両方で少しずつローンの返済を行っていけば、お互いに負担を減らすことが可能になります。また、居住用としてだけではなく、例えばカルチャースクールなどのフリースペースとして貸出すことも念頭において良いかもしれません。
地域のコミュニティースペース的な活用ができれば、それはそれで楽しい生活が送れそうです。三部屋あるということは風呂とキッチンが三つあるということですから、ある程度は撤去費用がかかってしまうかもしれません。しかし、それでも住宅を購入するよりは、ずいぶんと安い費用で済むはずです。
広い家があるということは、それだけ利用の方法も様々です。自分の生活に彩りを与えてくれる空間があるわけですから、今はメリットを強く感じています。
まとめ
賃貸併用住宅の購入によって、経済面で様々なメリットを享受できます。家賃から毎月の住宅ローンを返済することができますし、住宅ローンを利用することで、返済額自体を投資用ローンよりもはるかに低い金額に抑えることが可能になります。
経済的なメリットを重視して住宅を購入したいのであれば、是非とも賃貸併用住宅の購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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