築古の戸建て物件投資のメリットとデメリット

不動産投資

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投資用の不動産物件を選ぶ時は、大きく分けて

  • マンション
  • アパート
  • 戸建住宅

と、3つの選択肢があります。

もちろん、それ以外にもテナントビルや土地といった不動産も運用は可能ですが、価格の安いものが少ないため、投資初心者ではなかなか購入できません。

そこで、ここでは、マンションやアパート以外の投資先である戸建て住宅、特に築年数が古くて価格も安い築古の戸建て物件に投資することのメリットとデメリットについてお伝えします。

1.築古物件のメリット

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最初に、築古物件に投資することのメリットを挙げていきます。

1-1.物件を安く購入できる

築古物件は、価格の安さが最大のメリットだと言えます。

築古の戸建ては基本的に木造ですから、築年数が22年を越えると法定耐用年数を経過します。よって、建物の資産価値はゼロに近くなります。
そのため、ほぼ土地代のみで購入できることも多いのです。

また、築古物件の売り出しについてですが、築古の戸建て住宅を相続した子供が、「もう自分たちで使うことはない」と考え、親が住んでいた家を売るケースが大半です。
そういった場合、「使わない住宅に固定資産税を払うのが嫌だから売りたい」という事情が背景にあることが多いです。

投資家ではない人が売るので、そこまで高く売りたいと考えている人は少ないのです。そのため、かなり安い価格で売り出されることがあります。
東京都や神奈川県といった人口が多い場所でも、駅から離れた場所にある築古の戸建てであれば、500万円~1,000万円程度のものが十分に見つかります。

1,000万円以下の築古の戸建てであれば、現金で購入できるケースもあるでしょう。
現金で購入すれば投資用ローンの返済リスクが発生しないので、比較的低リスクで不動産投資を始めることができるのです。

1-2.長期間の入居が望める

築古の戸建ての場合、借り住まいの対象は戸建て物件に住みたいと考えるファミリー層になります。
単身者で戸建て物件に住みたいという人、そうは多く見つかりません。
しかし、庭や駐車場付きで子供部屋を用意できる戸建て物件を希望するファミリー層は多いのです。

そして、ファミリー層の場合、1つの物件に長く住むことが大半です。
単身者の場合は2年や4年など、契約更新の度に退去を検討する人は多いのですが、ファミリー層の場合は引っ越しをしてしまうと転校が多くなるため、子供の成長のことを考えてできるだけ転校のない環境で過ごさせてあげたいと考える親は大勢います。

また、家族で生活していると物がどうしても多くなってしまうので、引っ越しをすると大変な手間が発生します。
そのため、子供の義務教育期間中に当たる10年程度であれば、ずっと住んでくれる人も多いのです。

1-3.土地代>物件価格(土地代が物件価格よりも高い)ものが見つかりやすい

築古物件の場合、土地の価格よりも安く売り出されている物件も見つかります。
なぜならば、建物が法定耐用年数を過ぎて非常に古いものだからです。
例えば、坪単価が30万円の土地で、敷地面積が30坪の築古物件があったとします。

その土地に建っている住宅が築30年を過ぎると、そのままでは住めないものも多くなります。そのため、建物を取り壊して新しく建て直すことを前提に売り出されることがあるのです。

木造住宅を壊す場合、坪単価に換算して2万円前後の費用が発生します。仮に取り壊し費用が50万円かかるとして土地の価格が900万円だとすれば、建物の取り壊し費用分を減じて850万円で売り出されていることもあります。

土地だけを買うよりも、住宅が建っているほうがお得です。取り壊し費用を差し引く形で(※この箇所だけ、分かりやすい別の表現に置き換えました)物件の価格が安くなることもあるのです。

そのため、コストパフォーマンスよろしく物件を購入できます。

2.築古物件のデメリット

築古物件の購入はメリットだけではありません。もちろん、いくつものデメリットが存在します。

2-1.入居者が見つかりにくい

戸建て物件は長期間入居者が住んでくれるメリットがありますが、簡単に入居者が見つからないのがデメリットの1つです。
特に、最近の地方は人口が減っていますから、築古の戸建てをわざわざ借りてまで住むファミリーはそうは見つからないのです。

地方であれば賃貸でわざわざ物件を借りずとも、家を買ってしまったほうが毎月の支払いが安く済むこともあります。
そのため、一度空室が発生してしまった場合、次の入居者が見つかるまでに半年や1年の長期で空室が発生することもあるのです。

それに、家賃も安くしなければならないでしょう。

2-2.リフォームの費用がかかる

築古物件が安く売り出されるのは、それなりの理由があります。
建物が非常に古く、数々の問題点があるからです。
屋根や外壁の塗装が剥がれていて、住みたくなるような見た目の住宅ではない。

水回りやキッチン、お風呂などの設備が腐食していて、見た目にも不快である。
そういった設備や機能面で劣る物件が数多く見受けられます。

そこで、新しく人に住んでもらうために外壁や屋根を塗装したり、水回りを交換したり、壁紙や床材を変えたりと、大規模なリフォームもしくはリノベーションを行わなければならないでしょう。

その場合は費用が100万円から500万円程かかってしまうこともあります。
物件の価格は安いものの、リフォームやリノベーション代が相当にかかってしまうことを覚えておきましょう。

高額なリフォームを実施したにもかかわらずに入居者が見つからない場合、金銭的に大きなダメージを受ける可能性があります。

2-3.土地の値段が下がる可能性が高い

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土地の価格が特に安い築古物件の場合、今後さらに土地の価格が値下がりする可能性が高くなります。

特に今の日本は人口が都心に集中する傾向にありますから、地方に戸建て物件を持っていてもごく短期間で土地が大幅に値下がりしてしまうことがあるのです。

3.築古物件の投資における注意点

築古物件のデメリットを知ったところで、築古物件の投資で利益を出していくためにはどういった点に注意すれば良いかをまとめてみました。

3-1.短期間で利益を回収することを心がける

築古物件への投資の最大の魅力は、10%以上の高い利回りが期待できる(※「発揮」?)点です。

その代わりに立地が良くないものが多く、建物自体も古いので長期の運用には適していません。可能であれば15%程度の利回りを毎年確保し、運用の開始から5年か10年以内に投資した資金の大半を回収するように心がけましょう。

3-2.駐車スペースは必須

地方都市の築古の戸建て物件は駅から離れた場所にあることが多く、ファミリー層に住んでもらうことが基本的な戦略になります。また、車を使う家庭が多いので、家に駐車スペースがあることが必須です。

駐車できるスペースがなければせっかくの良い物件であっても、「駐車スペースがないので生活しにくそうだ」などと嫌気され、敬遠されてしまうこともあるのです。
物件を購入する時の鉄則として、駐車スペースがきちんと確保されている築古の戸建てを選ぶようにしましょう。

3-3.10年間は需要がある場所を探す

築古の戸建て物件は、どこでも買えば良いというものではありません。

短期間で利益を出さなければなりませんが、これから先の10年程度は需要が見込める場所の物件を購入するようにしましょう。
10年後に子育ての世代がほとんど住まなくなるような場所で入居者が退去してしまったら、その後はずっと住人が見つからない可能性があります。

10年間所有して毎年10%以上の利回りを確保の上、それから購入価格の8割程度の値段で売ることができれば、最終的な年間利回りは15%以上の高利回りになります。

これを築古の戸建て物件への投資における基本的な戦略として考えていきましょう。

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