コロナ後の社会で人気の出る物件、出ない物件

不動産投資

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2020年冬に端を発した新型コロナウイルス。その流行は全世界に拡散し、様々な影響を生み出しています。

日本における感染者の増加は、一旦はピークを迎えて落ち着いてはいるものの、緊急事態宣言下で多くの人がテレワークに励むようになるなど、人間の生活環境にも影響を与えています。

そこで、アフターコロナと言われるように新型コロナウイルス後の社会では、どのような不動産が求められるのでしょうか。

緊急事態宣言下の不動産市場の動きと併せて考えてみました。

1.アフターコロナの社会で人気の出る物件

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アフターコロナの生活下で大きく人気が出そうな物件とは、テレワークに適した物件であることが視野に入ります。

また、これまでよりも通勤の頻度が下がるため、会社への通勤時間はそこまで重視されなくなる可能性が高いです。

そういった観点から、アフターコロナの社会で人気が出る物件をピックアップしてみました。

1-1.家賃が安い物件

緊急事態宣言の影響によって収入が落ちた人が多く現れているため、今後は家賃が安い物件の需要が高まるものと見られます。

飲食店や観光業などにおいては売上が大幅に落ち、廃業する会社が増えています。また、そういった産業に関係しない人でも自宅勤務の機会が増えれば、残業時間が減少します。その結果、残業代のカットによって毎月の収入が徐々に減少する傾向がみられるでしょう。

コロナショック下にあっても、一部の産業や事業において売上が増えた会社はありますが、基本的にはごくわずかです。

一般的な収入を得ている人を中心に考えた場合、収入が下がった人が多く、収入が上がった人はわずかだと言えるでしょう。

そういった状況が解消されるのは、新型コロナウイルスのワクチン開発などによって根本的な対策が行われてからになりそうです。

収入が減少する社会が前提になるアフターコロナにおいて、それまではいかに生き抜くかを考えなければなりません。

また、アフターコロナ下では毎月の生活費を抑えるため、家賃が高い物件よりも安い物件に需要が出ると考えられます。

1-2.ワークスペースが確保できる物件

立地面や環境面で考えた場合、ワークスペースが確保できる物件がこれから先は重視されるものとみられます。

テレワークを行う際に問題になっているのが部屋の中の映り込み、いわゆるパーソナルスペースを会社の人間に見られてしまうことです。

また、小さなお子さんと一緒に生活している家庭の場合、生活音がテレワークに反映されがちです。

なかなか仕事に集中できない、プライバシーが会社の人間に晒されてしまうなどの悩みを抱える人もいます。

そのため、ワークスペースとして小さいなりに使いやすい書斎のような部屋を確保した物件が、これから先は人気が出ると考えられます。

仕事部屋を確保できれば日中は仕事に集中できるようになり、会社に通勤していたときと同等のパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。

1-3.駅から離れているが、広めの物件

テレワークの普及で通勤の頻度が週1回から2回に下がれば、駅から会社までの通勤時間の長さがそれほど考慮されないようになる可能性があります。

そのため、駅に近いが家賃が高い物件、場所は良いが部屋がそれほど広くない物件よりも、駅から離れているが部屋数が多く、パーソナルスペースを確保できる物件に人気が出るでしょう。

これまでは敬遠されてきた駅から徒歩で15分以上もかかる物件、バスを使わなければ駅まで行けない物件に新たな需要が生まれる可能性もあります。

2.人気が下がる可能性のある物件

では、アフターコロナの社会で人気が落ちる物件とは、どのような特徴を持つ物件でしょうか。

人気が出る物件の逆の条件を兼ね備えたものが挙げられるでしょう。

2-1.家賃が高すぎる物件

最初に想起されるのは、家賃が高い物件です。先ほど挙げたように、様々な産業に従事する人の収入が減少している状況下では、高額な家賃を支払えるだけの余裕がある人は減っていくでしょう。

そのため、家賃が高い物件よりも、設備や外観は最低限であっても家賃が安めの物件を求める人が増えるなど、入居者の嗜好性が変わっていくのではないでしょうか。

高級マンションよりも一般のマンション、一般のマンションよりもアパート物件に人気が出る可能性は高いです。

ただし、家賃が数十万円などの富裕層向けの物件に住む人は元々の収入が高く、そこまでコロナの影響を受けないため、需要が維持される可能性も考えられます。

家賃が普通の物件よりも2~3割ほど高めの物件を運営している人が、最も空室増加の影響を受けやすいのではないでしょうか。

2-2.部屋が狭い物件

次に、人気が落ちそうなのが面積の狭い物件です。

面積が狭い物件は、ワークスペースを十分に確保することができません。

テレワークが一般的になれば、仕事に必要な設備や備品を備えておかなければならないでしょう。デスクトップのパソコンやプリンター、資料などを揃える場所が必要です。

仕事に必要な物を置く余裕がない部屋は、今後は敬遠されるかもしれません。

駅に近くてやや狭めの物件よりも、駅から離れていても広めの物件のほうが、入居者の需要にマッチする可能性が高いと言えます。

2-3.ワンルーム物件

部屋の面積だけではありません。間取りの面も考えておく必要があります。

ワンルーム物件の場合、1つの部屋にキッチンや寝室などが併設されます。

それに、テレワークではプライバシーが護られないリスクがあります。

自分の家のキッチンやベッドが会社の人間の目に触れるのを嫌がる人は、多いのではないでしょうか。

また、ワンルーム物件の場合、プライベートの空間とワークスペースを分けることが難しいです。

ワークスペースの周りに趣味の物を置くと、ついつい仕事に集中できなくなるおそれがあります。

ワンルーム物件よりも1Kや2Kなどの小さな部屋が複数あり、それぞれの部屋を寝室、仕事部屋、キッチンなどに分けられる部屋のほうが、アフターコロナの社会で需要が増すと思われます。

3.コストパフォーマンスの良い物件が求められる可能性も

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結果的にアフターコロナの社会では、どのような不動産物件が重宝されるのでしょうか。

ビフォーコロナの社会では、都心にある会社に毎日通勤し、往復で1~2時間を費やしていました。そのため、駅から自宅への距離も、できるだけ近い場所が良いとされてきました。

しかし、テレワークが普及すれば週1~2回の出勤で済むため、通勤時間はそれほど重視されなくなります。

それよりも自宅が職場になることが多くなるので、自宅を職場として活用できながらも、きちんとプライバシーを確保できる程度の広さを備えた物件が人気を呼ぶでしょう。

今までに人気が高い物件と言えば、都心の駅の近くの物件やマンションが鉄則でした。

しかし、アフターコロナの社会においては、都心にアクセスする必要性が徐々に低下します。

都心の不動産の人気が下がる一方で、都心から1時間ほど離れた場所の家賃が安く、広めの物件に注目が集まると考えられます。

もちろん、都心の一等地は繁華街としての側面があるので、繁華街・商業地として需要がある駅の人気は急激には落ちないでしょう。

しかし、単身者が住む場所は都心から30分から1時間ほど離れたエリアが中心になり、人気が出る可能性はあります。

そういった視点を持ちながら、不動産価格の推移を確認してみてはいかがでしょうか。

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